夢の言葉と陽だまりの天使(上)【夢の言葉続編②】
本当は片時も離さず身に付けておきたい。
見ているだけで、付けているだけでまるでヴァロン自身の様に私に元気をくれる。
早く付けようと、ウキウキしながら職場に持って行っている鞄を手に取り中を覗いた。
「……。
あれ?……え?っ…。」
鞄の内ポケットを探る。
そこは、いつも指輪をしまう場所。
……。
しかし、ない。
「っ……うそ、でしょ?」
ドクンッと胸が締め付けられる。
確かに、今日もここに入れたはず。
私は慌てて、
中身を全て出して鞄を逆さにして必死に探した。
制服や荷物と荷物の間を探り、お財布やポーチの中身も全て床の上に出す。
……けれど、ない。
どんなに探しても、ない。
「っ…な、なんで……ッ。
なんでっ…ないの……?」
ど、こっ…?
どこで…落としたんだろうっ…?
パニックになりながら、
私は必死に自分の記憶を探る。