夢の言葉と陽だまりの天使(上)【夢の言葉続編②】

「!っ……あ。
もしか…して……っ。」

帰りにユウさんとぶつかって鞄の荷物をぶちまけた、あの時。
あの時に落として拾い忘れたとしか考えられなかった。


「ッ…!!」

私は今にも溢れそうな涙を堪えて家を飛び出すと、ただ真っ直ぐに職場を目指した。


どうしようっ…。
もし、っ…見付からなかったら……ッ。

ヴァロンが指輪をくれた時の想い出が、
私には今も鮮やかに思い出せる。
私が一緒に桜を見たいと何気なく言った一言を覚えてくれてた彼が、忙しい中連れて行ってくれたお花見。
人気の少ない早朝に散歩して、
”また来年も一緒に来よう”って約束しながらヴァロンが私の指に指輪をはめてくれた。

結婚を公けに出来ないから、
一緒に付けられないと思ってたお揃いの物。
それだけにもらった時の喜びは、言葉では表せない程の感動だった。


っ…や、だ。
絶対にっ…見つけなきゃッ…!

……
………。
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