夢の言葉と陽だまりの天使(上)【夢の言葉続編②】
すっかり恋話に盛り上がってしまった女子達から逃げる様に休憩室から飛び出して来たアカリと、その場から動けなかった僕がぶつかる。
その衝撃で彼女の鞄が落ちて、中身が派手に床に散乱した。
慌てて散らばった荷物を拾うアカリ。
その姿にはさすがにハッとして一緒に拾ってやると…。
僕の足元に、輝く…物。
小さな指輪が転がっていた。
……。
好きな人、じゃない。
”彼氏”…。
アカリはすでに、その男と……。
湧き上がる悔しい様な…。
許せない気持ち。
僕はその指輪を拾うと、
自分のエプロンのポケットの中に隠した。
”喧嘩でもして別れちゃえばいい”…。
僕はそう思って、指輪をアカリに返さなかった…。
〈回想終了〉