夢の言葉と陽だまりの天使(上)【夢の言葉続編②】
「……っ?」
俺は猫リディアを床に降ろすと、慌てて靴を脱いで奥へ足を進めた。
「アカリ?
っ……アカリッ…何処だっ…?」
……ッ?!
俺の目に飛び込んできたのは…。
床にぶちまけられた様な、アカリの鞄の中身。
買い物してきたばかりの食材も、テーブルの上で放置されていた。
ザワッと胸が震える。
「っ……アカリッ…。
おいっ…!アカリッ……!!」
俺は彼女の名前を呼びながら、必死に家中を探し回った。
……何処にも、いない。
「……っ…嘘、だろ?」
心が、身体が…ガタガタと震え出す。
俺は壁に寄り掛かる様にして身体を支えながら、何とか冷静になろうとした。
……。
けど、駄目だッ…!!
”アカリがいない”…。
それだけで、どうしようもない不安が襲ってくる。