夢の言葉と陽だまりの天使(上)【夢の言葉続編②】
「ッ……!!」
俺は何の考えもなしにアカリを捜そうと、部屋を飛び出した。
荷物も持たず、
家の鍵すらかけるのも忘れて…。
アカリに何かあったらッ…!!
そんな恐怖に押し潰されそうになって、
”アカリを捜す”…その事しか頭になかった。
シュウや調査員に連絡して対処を考えるとか…。
街中で変装もせずに堂々とアカリの名前を叫んだらどんな事になってしまうか、とか…。
そんな考え…もう、頭になかった。
……
………。
長い階段を跳ぶ様に降りて、
家の建物の下まで行って駆け出そうとすると…。
少し離れた正面に人影が見えた。
俯いて。
とぼとぼと歩いてくる、長い黒髪の…女性。
「っ……アカリッ!!」
間違えるはずないその姿。
見付けた瞬間、俺の身体は動いてた。