プルシアンブルー“俺が守る”
「ただ、瞬綽樵の交遊関係を調べていたら、ゆすっていた相手は他にもいたようで。」



瞬綽樵は小学校時代、イジメられていた。



イジメていたのは、裁判官の疝驕逞(センキョウ タクマ)、検事の晦霄猛(カイジョウ タケル)、弁護士の暖朶庇(ダンタ ヒサシ)の三人組だ。


独身貴族で山登りが趣味、役職が違っていても仲が良いと言われていたが、賄賂を受け取り仲の良さを利用して結託、判決を左右していたという噂も一部で真しやかに囁かれていた。



「ネタは恐らくそれかと。ですがその三人、山中で変死していたそうです。」


「他殺か?」


「いえ、検死の結果テングダケを誤って食べたことによる中毒死でした。疝驕逞の首にはヤク殺の痕がありましたが、食べていたと思われる鍋と嘔吐の跡から、ヤク殺は精神錯乱によるものであると断定されました。」



山に自生していた茸を、自身の知識を過信し無闇に口にしてはならない。



生前瞬綽樵は雑誌編集者に、山好きは総じて高い所が好きなんだ、自分達は選ばれた人間なんだからと上から見下す性格だから、高い所から見下ろしたい願望がいつまでもあるんだよ、と憎たらしそうにこぼしていたらしい。
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