プルシアンブルー“俺が守る”
「健康な人間が摂取すれば血糖値が大幅に下がり、その状態が長く続けば死に至るそうです。町会長にも関わらず葬式の参列者は少なく、聞くところによるとセクハラを繰り返していたと。」



商店街の寄り合いと称して、飲み会を月に複数回開いていた鈴亭埒嫡なのだが、酒の席だから年寄りだから許せと、権力を振りかざし自身の言動を正当化していた。



「因果応報、さぞかし迷惑を我慢し続けていた町民の心の内が表れた葬式だったんだろうな。」



理不尽に死を迎えた者以外は、大抵その人物のしてきた報いを感じることが多い。



「「戻りました。」」



「おう、お疲れ。」


「お疲れ様です。」



左隈と岐微浜が少しの遠出から戻ってきた。



「容疑者の涎彷樽實(センホウ タルミ)は一酸化炭素による中毒、事件性は無いとの事です。」



芸能事務所に出入りしていた日雇いの清掃員で、自由に出入り出来る立場を悪用し、楽屋に忍び込み芸能人の私物を窃盗。


繰り返しオークションに出品して小遣い稼ぎをしていた。



「逃走手段に車を選んだのが運の尽き。季節外れに降った大雪がマフラーに詰まり、排気ガスが車内に充満したことが原因でした。」
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