プルシアンブルー“俺が守る”
更に余談だが、密漁したものをさばいていたのは、パイロットの鞆韜呂碼(トモトウ リョウマ)とCAの鞆韜軾(トモトウ シギミ)夫妻だ。



この二人、世界中を飛び回ることを利用し、魚だけでなく密輸までしていた。


パートナーである釵柩挽惹(サキュウ バンジャク)という、マタギのシカリ…狩猟団頭領を生業とする男が密猟したものをだ。



更に更に余談だが、密猟が発覚した経緯は、釵柩挽惹が土産にと密猟した鹿を食べ中毒死したことが原因だった。


本人と韜呂碼と軾の体内からベラドンナが検出され、不審に思った検死官が刑事に報告したことで捜査になり、三人がメールで密猟や密輸のやりとりをしていたことが明らかとなった。



「(関連性が無くて本当に良かったわ。)」



報告する方も結構気を使うのよね、と若干疲れた表情の超坊を見てそう思う左隈だった。



「もっどりましたー」


「なんだか雰囲気が淀んでいますけど、大丈夫ですか?」



「気にしないで下さい。気の滅入る報告が重なっただけですから。」



喝宥の場違いとも言える明るい挨拶に、自重しろよと思いながらも克治は苦笑いの桧亨を見た。



「お前ら報告、手短に頼むぞ。」
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