プルシアンブルー“俺が守る”
「しけい?」



「私の刑罰と書いて私刑です。法律に関係なく、一般市民が個人や集団の裁量で制裁する行動です。」


「簡単に言えば、無差別リンチみたいなものです。」



超坊には聞き慣れない言葉に、爽築と左隈が簡潔に説明する。



「だが、たかがネットだろ?そんなもんで警察が動くか?」


「今はネットの時代です。目撃情報も足よりSNS…誰でも利用出来るネット上のサービスを使った方が早いと思います。」


「まあ、精査は必要ですけど。」



岐微浜と克治も付け足した。



犯罪の温床になることはあるが、貴重な情報源となることもある。


今回もサイバー犯罪対策室と連携した結果だ。



「時代か……。それで、そいつの身元は?」


「ハンドルネーム…ネット上の名前は虹命(コウメイ)、本名を剋貌拙嬬(コクボウ セツマ)プログラマーです。アジ化ナトリウムで中毒死していて、身元はすぐに割れたので恨まれ殺害されたのではないかというのが見解です。」


「臥寐添楊や癜蚌箕嘉だけでなく、裏カジノで逮捕されたアナウンサーも集中攻撃でした。しかし、人気者だったんで嫉妬だろというのがネット上の反応ではありました。」
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