プルシアンブルー“俺が守る”
蹂暢蟹飛(ジュウチョウ カイト)は報道番組のアナウンサーで、内偵中だった裏カジノへ出入りが確認されていたのだが、カジノで出されていた食事でリステリアによる食中毒が起き騒ぎとなった。


救急車で運ばれる時に野次馬に写真を取られたことでカジノの件が露見、手のひらを返した様にネットは炎上した。



「それと裏カジノだけでなく、格安物件が売りの不動産屋が訴訟を起こされたあげくに社長が中毒死した件にも関わっていたようで。」



「中毒死したのは雁庫薩嗣(カリクラ サツツグ)という男で、どうやら事故物件の告知義務違反らしいです。他の不動産会社から安く買い叩き、それを販売や貸し出していたようです。蹂暢蟹飛は報道という環境だった為、事故物件情報が手に入りやすく、聞き回っていたと。」



雁庫薩嗣の中毒死の原因は、事故物件にあったであろうパラコート。


訴訟の発端は、借り主が化学物質過敏症を発症し自ら調べたところ、事故物件の証拠を隠す為に使ったのだろう二酸化塩素が原因だった。



しかし事故物件を売った方の業者は、多少は後ろめたく思っているのか黙りを決め込む為必然的に情報が滞ってしまい、捜査は思うように進まない。
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