プルシアンブルー“俺が守る”
「まるでミルグラム実験を見ているようだな。」
教会に残虐な数々の殺人、そして譲琉が口にした悪魔という単語。
神のお告げが聞こえた、神様から命を受けた。だからそれを遂行した。
という、信じがたいが刑事としてはよく聞く最低な方程式が、呟く克治の脳裏に過る。
「姉ちゃんは…、姉ちゃんは俺が守らなきゃならないんだ!俺が」
間違っていないと思わせて。
あの時、悪魔を退治したように。
今までしてきた事も、爽築の為でしかないって。
ただ大好きな姉を守る為だけだったって。
「俺が、俺が姉ちゃんを、姉ちゃんを守るんだ……!守ってあげるんだ……!」
「譲琉…!もういい、もういいよ。」
栃元が押さえ込んでも叫び続ける譲琉へ、爽築は落ちる涙に構わず近付く。
爽築の声が聞こえたのか、譲琉は抵抗を止めた。
「姉ちゃんをいじめる人、もういないから……もう誰もいないから……もう大丈夫だから……」
崩れ落ちるように、譲琉の前で両膝をつく。
「守ってくれて……ありがとうね、譲琉。」
満足そうに嬉しそうに笑う譲琉の頭を、爽築は泣きながら優しく撫でるのだった。
教会に残虐な数々の殺人、そして譲琉が口にした悪魔という単語。
神のお告げが聞こえた、神様から命を受けた。だからそれを遂行した。
という、信じがたいが刑事としてはよく聞く最低な方程式が、呟く克治の脳裏に過る。
「姉ちゃんは…、姉ちゃんは俺が守らなきゃならないんだ!俺が」
間違っていないと思わせて。
あの時、悪魔を退治したように。
今までしてきた事も、爽築の為でしかないって。
ただ大好きな姉を守る為だけだったって。
「俺が、俺が姉ちゃんを、姉ちゃんを守るんだ……!守ってあげるんだ……!」
「譲琉…!もういい、もういいよ。」
栃元が押さえ込んでも叫び続ける譲琉へ、爽築は落ちる涙に構わず近付く。
爽築の声が聞こえたのか、譲琉は抵抗を止めた。
「姉ちゃんをいじめる人、もういないから……もう誰もいないから……もう大丈夫だから……」
崩れ落ちるように、譲琉の前で両膝をつく。
「守ってくれて……ありがとうね、譲琉。」
満足そうに嬉しそうに笑う譲琉の頭を、爽築は泣きながら優しく撫でるのだった。