プルシアンブルー“俺が守る”
「櫪幇類は送検されたんですよね。」



「ああ。薬の入手ルートを組対が解明して、偲胴企画の連中も一斉検挙だ。」


「薬販売専用の裏会員制サイトも運営していたのよね。桧亨譲琉が多種多様の薬を手に入れられたのもそれのせいでしょ。」



全体的な犯罪量からいえば鼬ごっこや蜥蜴のしっぽ感は否めないが、それでも今回の検挙は大捕物であった。



「ところで、さっきから何をやっているんだ?」



譲琉が送検されたことで落ち着いた一連の不可解な事件。



後日談ついでに話ながら流れを整理していたのに、栃元はパソコンに向かいっぱなし。


それも大量の古い紙資料に囲まれながら。



「課長が『学校の繋がりを見付け出したのはよくやった。警察も電子化の波がきている。だから今回の功績を認めてこれらの入力と整理を一任する。あれだけの共通点を見付けられたなら出来る。』って言われて…」



「成る程、体よく押し付けられた訳か。」


「ご苦労様ね。」


「お疲れ様です。」


「まあなんだ…、頑張れ。」



「他人事だと思ってー。手伝ってくださいよー!」



栃元の悲痛な叫びも、我関せずの先輩と同僚には届かなかった。
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