プルシアンブルー“俺が守る”
「愛情と守ることがごっちゃになっていることも、その愛情が歪んでいるものだってことも分かっていた。分かっていたけど私は……」



警察官になって寮の為に別々に住むようになった頃から、知らぬ間に合鍵を作り部屋に出入りする、世間ではストーカーと呼ばれる部類だと認識しても。



「私は、譲琉のお姉ちゃんだから……。譲琉が喝宥のこと知って嫉妬してね、私は譲琉を取った。」



殺すとまで言った為、別れざるを得なかったといった方が正しいのかもしれないが。


ストーカーちっくな言動も自分が譲琉の神経を逆撫でするような行為をしなければ大丈夫だと思っていたのだが、現実には爽築の知らぬところで譲琉の思いは暴走していた。



「譲琉が……弟が原因なんて誰にも言える訳ないじゃない?それに喝宥の性格上、熱く語って説得とかしそうだし。」



みんな一緒が幸せだと本気で思っている喝宥には、壊れかけて歪なまま繋がった爽築と譲琉の関係性は理解出来ないと思ったから。



「俺は…!……確かにしそうだな…」



違うと言いかけて、爽築の言う通りだということに気付く。



家族とも友達とも仲間とも、真っ直ぐにしか繋がれないのだから。
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