TUBASA ~つばさ~
光さんは組んだ足に両手をのせていた。


「失恋の傷は癒えた?」


「.....どうかな、まだ『はい』と言う自信はないかも..」


「そっか」



その原因をつくった半分はあなたです。


今更言ってもどうしようもないけど。





「ねぇ、あの二人お似合いだと思わない?」


「凛子と正宗さんですか?」


どうだろう.....?



「正宗さんは女嫌いじゃないんですか?」



光さんは声を上げて笑った。


「そう見える?仕方ないな。あいつは堅物だからね。でも、根は友達思いのいいヤツなんだよ」


光さんは続けた。


「一人の僕を心配してくれてる。いつも僕の陰になり日向になり。大切な人間なんだ」


わかる気がする。

二人を見ていればわかる。

正宗さんの光さんへの思いは伝わってくる。


その逆も。


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