TUBASA ~つばさ~
「.....シンデレラ」
光さんは私の髪をなでる。
ロウソクの明かりが光さんをぼんやりと照らす。
この人こんなに綺麗だったっけ?
ドキっ。
心臓が鳴る。
「あ、あの、どうしてシンデレラなんですか?」
とっさに口にした言葉。
光さんの視線が苦しかったから。
「ん......、シンデレラは12時になると王子の前から消えてしまうだろ。君も僕のものにしたいのに、この手からすり抜けてしまう」
光さんは私の髪を撫でるのをやめない。
「シンデレラはやがて王子のものになるけど、君はどうかな....?」
光さんの顔が近づく。