TUBASA ~つばさ~
「璃子は両親から僕との交際を反対されていたんだ。許婚がいるのに僕と何かあったらって、思ったんだろうね」


「それで、二人を引き離すために転校させられたんですね」


「ああ、璃子は物静かでいかにも大和撫子みたいな人だった。だけど、古いしきたりを嫌っていたんだ」


光さんの瞳から涙がこぼれ落ちていた。


「両親への抗議だった。僕を残して.....」



光さん.....そんな過去があったなんて。




「僕は璃子を忘れるために、たくさんの女の子とつきあったけどダメだった。それに....」


それに....光さんは言葉を続けた。


「僕とつきあうのがステータスなんて言われて、僕の顔が好きだからとか、お金持ちだから。なんてそんな女ばっかり」


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