TUBASA ~つばさ~
ドドーン!

辺りに波の音が響く。




あれから斗馬は黙ったままだ。


私も何を話したらいいかわからなくて、
波しぶきを見つめるだけ。


どれくらい時間が経ったかな。


陽もだいぶ傾いている。


秋の風は少し冷たい。


思わず身ぶるいしてしまった。




「ごめんね、寒い?」

斗馬は見逃さなかった。

こんなところにも優しさを感じる。


「.....平気」


にっこりと笑ってみせる。

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