TUBASA ~つばさ~
複雑な感情が私を駆け抜ける。
「ルナ、俺......」
ゴクリ。
私はつばを飲み込む。
「俺.....、ルナには悪かったと思ってるんだ」
麗華の言葉を思い出す。
『あたしち結ばれたの』
めまいがして来た。
「今更、何言ってるの」
私は両手でおでこを押さえる。
「ごめん......」
斗馬は唇を噛む。
「麗華とは.....」
「言わないで!!」
斗馬は口をつぐむ。
「もうそれ以上何も言わないで、お願いだから...」
「.....泉岳寺先輩とつきあってるんだろ、幸せか?」
私はクルリと斗馬に背を向けると、その場を逃げ出した。
かばんを乱暴につかむと、走って図書館を飛び出す。