TUBASA ~つばさ~
でも光さんは違う。


まだ、璃子さんの影を追いかけてる。


私にはわかる。


さっきの光さんは、璃子さんへの想いを私にぶつけてきたんだって、
わかる。


それが悪いとは言わない。


だって人の心なんて、他人がどうかできるわけじゃないんだから。



でもそれは光さんの本心なの?

光さんが望んだこなの?



ううん、違う。


「光さん、自由になりたい....て、言ってました。それは、璃子さんに縛られてる自分のことを言ってるんじゃないでしょうか?」


正宗さんが鋭い眼光を向けてくる。


「璃子さんを忘れたいのに、忘れられない。それは自分のせいで死んでしまった璃子さんへの負い目」





「自分と付き合わなければ、璃子さんは死ななかった。本当は違うのに光さんのせいじゃないのに。璃子さんと光さんを許さなかった、古い慣習のせいなのに」





「お前に何がわかる!!」



「光さんは自分で自分に呪縛をかけてしまったんだわ!!」



「黙れ!!」





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