TUBASA ~つばさ~
「ルナ?クリスマスはどうすんの?」
家庭科の授業中。
凛子が眠そうな顔で話しかけてきた。
「.....光さんと約束が」
「そっか。結局、光さんとつきあってるんだもんね」
「.....うん」
「何よ、学校のプリンスが彼氏なんだからもっと嬉しそうにしたら」
頷いて、凛子に笑ってみせる。
六人掛けの机。
向かいに座ってる奈津子が小声で話しかけてきた。
「ねぇ、麗華と斗馬ってさ、つきあってなかったらしいよ」
「えっ、どういう事よ?!」
私より先に凛子が突っ込んだ。
「だから、麗華が斗馬にしつこく絡んでただけみたいよ」
「確かなんでしょうね!」
だから、凛子がどうしてムキになる?
「斗馬はどうして言ってくれなかたんだろう?」
首を傾げる凛子に奈津子が答える。
「男のプライドじゃない。だって、ルナが光さんに行っちゃったわけだから」
ズキっ......。
胸が絞めつけられる。
みんなにはそう思われてるんだ。
私は斗馬から光さんにのりかえたって。
でも、私の身に起こったことはあまりにも複雑すぎて、
うまく説明する自信もない。
きっとこれでいいんだ。
そう自分を納得させた。