TUBASA ~つばさ~
校舎の四階の端にある図書館。


試験前には生徒で席が埋まるけど、今は人影が全然ない。


ひっそりとした空気。


床に敷かれた絨毯で私の足音もかき消される。


静寂が支配する空間。


図書館なんて普段はこんなもんか。


妙に納得してしまう。



生徒がいないことにむしろ解放感と安心を憶えた私は、
自然と独り言を発していた。


「えーと、中世のドレスはーどこかなぁ」


足取り軽く、本棚の間を探しながら歩く。


「ドレス、ドレス。歴史書がいいかな?それとも写真集?」

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