TUBASA ~つばさ~
斗馬は私の言葉を察してくれたらしい。

「これからお互いのこともっと知りたいな」


私はうなずく。


「でもさ、部活始まったら斗馬忙しくなっちゃうね。あんまり一緒に居られないしつまんない」


「ごめん、埋め合わせするし」


斗馬にとって部活が大事なのは良くわかってる。

我慢しなきゃって思うけど、やっと動き出した私たち。

ずっと一緒にいたいって想いが溢れてきて、どうしようもない。


斗馬はそうじゃないの?


ううん、斗馬だって一緒にいたいのを我慢してるんだ。


サッカー部ではレギュラーだし、部活優先で当然じゃん。


今こうしていられることを大事にしなくちゃ。


「斗馬っ」


「何?」


「呼んでみただけ」


「はっ?!」


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