TUBASA ~つばさ~
本を両手で差し出す。


「お願いします」


ニッコリ笑うと、主は私の手に自分の手を重ねてきた。


この人何?!


いい加減にして欲しい!


どういうつもりなんだろう。



だけど、手を離すと本が落ちてしまうし。


どうしよう。



「すみませんけど、手を離して下さい」


睨みながら強い口調で言う。


「光(ひかる)!」

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