TUBASA ~つばさ~

中庭では三年生の模擬店がいくつも出ていた。


焼きそば屋さんに、たこ焼き屋さん、焼き鳥にクレープ。


どれも美味しそうで迷っちゃう。


「たこ焼きの列、やけに長くない?」


「ねー、変なの」


「美味しいってことかな?」



私たちはとりあえず、美味しいことに期待して
たこ焼きの列に並ぶことにした。


どれくらい並んだかな、やっと私たち。



「はいどうぞ、シンデレラ」


!!


光さんだ。

横には正宗さんも。

たこ焼きの列が長いの納得。




「あ、ありがとうございます」

食券を渡し、たこ焼きを受け取る。


「似合わないよねー、僕がたこ焼き屋なんて」

光さんはウインクする。

「商売繁盛を狙った実行委員の策略にのってやったんだ」


「そ....そうですか」

私はクルリと背を向けてその場を離れた。

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