TUBASA ~つばさ~

「最近、麗華が斗馬に急接近してると思ってたんだよね、納得だわ」

凛子は腕を組みながら話を続ける。


「斗馬のほうは無関心みたいだけど......ルナのほうは結構やばいかも、相手が光さんだもんね」


凛子はため息を漏らす。


「いくらあんたにその気がなくても、目の前であの光さんとのキスシーンを見せられたらね・・・・・男としては辛いかも」


凛子は複雑そうな表情をする。


心が音をたてて割れる。

せつない。



私だって、斗馬と麗華のキスシーンを見たわけじゃないけど、心は穏やかじゃないもん。


嫉妬と怒りの炎が燃えたぎったもん。


どうしてこんなことになっちゃたの?


斗馬はもう私のこと嫌いになったの?


想いは虚しく中庭を抜ける風に流されるだけ。


「斗馬のやつ、怒りが光さんじゃなくてルナに向けてることが問題なんだよね」


「うん、たぶん」


力なく答える。


「斗馬をわたしが呼び出すから、ちゃと二人で話なしてみなよ。
でなきゃ、あんたたちこのままじゃ終わっちゃうよ」



斗馬は応じてくれるだろうか?

いくらメールしても無視されてるのに。

でも凛子に託すしかなかった。

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