TUBASA ~つばさ~
その日の放課後、私と斗馬は屋上にいた。
無言でたたずむ私たち。
一度気まずくなると、話しをするのもこんなに大変なのかな。
「おーい、そっち回れ、回れ」
サッカー部の掛け声がここまで聞こえる。
斗馬は今日も部活があるはず。
呼び出したのは私なんだから、何か言わなくちゃ。
気持ちは焦るけど言葉が出てこない。
無駄に時間だけが流れる。
「俺......もう行かないと」
小さい声で斗馬が呟く。
待って、私の話しを聞いて。
「光さんとのことは誤解なの、突然光さんが.....あの」
斗馬は微動だにしない。
「斗馬、わたしのこと嫌いになったの?」
「.......」
答えが......な....い...。
心が音をたてて崩れてゆく。
斗馬.....
斗馬.....
彼は黙って下を向いている。
それが、あなたの答えなの?