TUBASA ~つばさ~

「斗馬!ここに居たの?!探したよぉ」


麗華が私たちのほうへ走ってくる。



.......麗華


麗華は斗馬の横にピタリとつき、腕をからませる。

私は一瞬で斗馬との恋の終わりを悟った。



「斗馬ぁ、行こうよぉ」


甘ったれた声を出す。


「あたしたちこれからデートだからぁ」


麗華は勝ち誇った表情で私を見る。



デート?!


だって今日は部活があるんじゃ?



「...斗馬、....部活行かないの?」



ショックでかすれた声を、やっとの思いで絞り出した。


「さぼりだよねー」


麗華が答える。


斗馬は下を向いたままだ。

< 94 / 179 >

この作品をシェア

pagetop