辛 恋
⑥家族

アメリカの空港につくと
パパの秘書のロバートがいた。
「ようこそ、心様、壬様。」
「わざわざ、すみません。」
と、私。
「ロバート、親父は?」
と、壬が言うと
「会社で仕事をなさっています。
今日、私はマリアナ様に言われて
参りました。」
「えっ、ママに?」
「はい、今回の事で一彦様は、
かなりお怒りでして
マリアナ様が、心配されて
私に言いつけられました。
一彦に会わせる前に
私の元に連れてくるように、と。」
「ママ、らしいな。」
と、壬、
「大丈夫?ロバート、パパに
知られたら、しかられるのでは?」
「ご心配には、及びません。
一彦様は、マリアナ様には、
逆らいませんから。」
と、ニヤリと笑った。

ロバートは、ヒルズにいた人で
ママが、信頼あるからと
パパの秘書にした人だ。

パパと年も変わらないはず。

眼鏡をかけて、背も高く
イケメンさんだ。
ただ〜、少し意地悪にみえる。
これは、本人には内緒。

私達三人は、ママの待つ自宅に
向かった。

自宅につくと
ママが、飛び出してきて
「二人とも、元気?
二人が、いなくなって
寂しかったわ。」
と、言うママ。

「うふふっ、私はかわりないよ。」
「ママ、離れて!
俺は、もう小さな子じゃないから。」
と、壬が言うと
「あら、私にとって
貴方達二人は、いつまでも
可愛い、可愛い子供なの。」
と、ママ。
相変わらず、綺麗で
年を取らない人だと
感心していると
「さあ、中に入りましょう。
ロバート、ありがとう。
会社に戻って
あの人に伝えて。」
「かしこまりました。」
と、ロバートは言うと
パパの会社に戻って言った。
「ママ、大丈夫?
ロバート、パパに叱られない?」
と、私が言うと
「問題ないわ。」
と、ケロリとママ。

私達三人は、自宅に入った。
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