辛 恋

私は、亜也さんと知佳の
話もした。
すごく助けてもらった、と。
社長の漣さんにも。

ママは、黙って聞いてくれてから
「進藤と言う方は、
中々のやり手みたいよ。
父親の代では、たいしたことは
なかったみたいだけど
息子になってからは、
かなり業績を伸ばして
クリーンになっていると。
ただ、その妻?を
放置していたのが
良くなかったわね。
どうやら、彼が動いて
中傷を消したみたいよ。」
と、ママ。

「で、パパはなんて?」
と、壬。
「パパは、進藤さんに怒っていたの
そしたら、心を助けたのが
自分でなかったから余計に
怒っちゃって。」
「やはり、そんなとこか」
と、壬。
「うふふっ、そうよ。」
と、ママ。
「で、心は、どうなの?」
と、ママが聞くから
「最後に進藤さんとあった時
身の回りを綺麗にしてくるから
待っていてほしいと
ただ、その間に
私を幸せにしてくれる人が、
現れたら その人と幸せになれ。
と、言われた。

私は、大翔を愛してるけど。

佳奈さんがどんな気持ちか
わからないの。
大翔のお父さんの愛人で
大翔のお母さんを苦しめて
病気にした上
大翔のお父さんと
大翔に無断で大翔と入籍するとか
それも大翔がお母さんの病気で
大変な時期に・・・
そこまでしたのは
大翔と好きだからなのか
お金が欲しいのか
大翔のお父さんがいたところに
とどまりたいのか。」
と、言うと
「そうね。
人の気持ちなんて
他人には、わからないもの。
でも、私の娘を巻き込んだ
償いはしてもらうわよ。」
と、ママはウィンクした。
壬は、
「はぁー。」
と、タメ息をつき
「そんな、バツイチおじさんじゃなくても
心なら、黙っていても男は、
寄ってくるだろう。」
と、言ってくれたが
私は、首を横に振った。

ママは、そんな私達を
ニコニコしながら、見ていたら
ドタ、バタン!
「心、心!!!」
と、パパ
いきなり、抱き締められた。
「パっ・・パパっ・心配かけて
ごめんなさい。」
と、やっと言うと
「もう、アメリカに戻りなさい。」
と、言われて
「一彦、その話しは、
  もう、すんだでしょ!!」
と、ママ。

「そうだが、マリアナ
心配なんだよ。」
「心も壬も、もう自分の事は
自分で決めれます。
私達、二人の子供達なんだから
心配いりません。」
と、ママが一喝
「だけどな、だけど、マリアナ!」
「くどいわよ、まだ、言うなら
ヒルズの家に帰るから。」
と、言うと
パパは、私を離して
ママを抱き締めて
「ダメ、ダメ、ルーク義兄さんは、
マリアナを帰したら
こっちに戻してくれないから。」
と、言った。
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