辛 恋
サンダーバードに行くと
良から
「大翔、お前大丈夫なのか?」
「ああ、なんとかな。」
「そんなんじゃ
仕事にも支障がでるぞ。
心ちゃんの顔みるだけでも
したら、違うんじゃないか」
「いや。いい。
会えば、全てを捨てて離せなくなる。
それに
あいつを巻き込みたくない。」
良は、心配だった。
大翔は、仕事とお袋さんのこと
そして、離婚の事で
肉体的にも、精神的にも
追い詰められている。
せめて、心ちゃんが
支えてくれたら。
と、思わずには
いられなかった。
そんな日々が
三ヶ月ほど過ぎたとき
大翔は、俺の店で倒れた。
俺は、大翔が今住んでいる
部屋に大翔を運んだ。
大翔は、あの日から
会社の近くの賃貸マンションで
暮らしていた。
うわ言で
心・・心・・・
と、言ってる。
俺は、翌日ASUKA建設へ連絡した。
心ちゃんは、突然の俺の電話に
驚いていたが
「明日は、お休みなので
仕事が終わり直ぐに伺います。」
と、言ってくれた。
大翔の会社には、連絡して
大翔の親父さんの代から
いる専務さんに
伝えた。
この人は、親父さんのワンマンや
だらしないとこを嫌い
大翔の経営に共感してくれて
専務として残ってくれた。