辛 恋

“ピンポーン”

「良さん、連絡ありがとうございます。
大翔さんは、どうですか?」
「ごめんね、いきなり連絡して。
大翔は、熱がまだ高くて
寝てるよ。
むちゃするな、と何度も言ったのに。」
「そうですか?
良さん、私ついてますから
お店、あるのでしょ?」
「ごめんな。
頼むね、何かあったら
連絡して。」
と、言って連絡先をメモしてくれた。

良さんから
「心ちゃんに、今、会うと
離せなくなる、と言ってな

だが、うわ言で
心ちゃんの名前を呼ぶんだ。
何度も・・何度も・・・・」
と、良さんは、話してくれて
お店に行った。

私は、大翔さんが、
寝ているだろう部屋に向かう。

キッチンは、綺麗だが
リビングは、脱いだものと
資料が、散らばり
どんなに忙しいのかが
見てとれた。

私と一緒にいたときは、
ホテルだったから
スーツなんかも、全てクリーニングに
出していたけど
ここでは、それもままならない。

私にあの時
嫌な思いをさせたから
ホテルの宿泊をやめた
みたいだ。

私の事より、自分が不自由するのに

寝室に行くと、大翔さんは
顔を赤くして
荒い、呼吸をしていた。

私は、そっとおでこに
触ると
「・・・・心っ‥‥‥ここ‥ろっ··」
と、大翔さんは呟いた。
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