辛 恋
⑧別れ
風邪で倒れてから
また、俺は意欲的に動いていた。
離婚の話を進めたり
母さんのとこに行ったり
そんなとき・・
松山(弁護士)から
「大翔、嫁さんに財産をやらない
方法をとりたいなら
会社を潰したら、どうだ。」
と、言われた。
びっくりもしたし
今まで、頑張ってやってきた
と、怒りもあったが・・
一週間、考えるだけ・・考えた。
だが今まで、佳奈をそのままにしていた
俺に非がある。
会社は、今のままで
信頼ある人に頼めないか
当たることにした。
専務の矢嶋さんにも相談した。
矢嶋さんは、はじめは反対していたが
俺の意志を尊重してくれて
「大翔君が、去るときは
私も一緒だ。」
と、言ってくれて
引き受けてくれる会社を
一緒に探してくれた。