辛 恋

誰も、言葉を発する事はなく。

クリアナもクリアナの両親も
固唾をのんで見守っていた。

すると・・

遥が、トコトコ歩いて
大翔の頭を“ヨシヨシ”した。

「「遥・はるか」」
と、心と大翔。

「マーマ、だ~れ?」
と、大翔を見て訊いたから

「この人は、遥のパパだよ。」
と、心。
「えっ!」と、大翔。
「パパ?」と、遥。

「心、良いのか?」と、大翔。
心は、うん と、頷いた。

大翔は、遥を抱き上げて、抱き締め
「子供って······
小さくて·····軽いんだな······」
と、考え深げに·····

遥が、
「パパ?」
と、言うと
いきなり
高い、高い!と。

遥は、嬉しそうに
きゃっ!キャッ!
騒いでいた。

知佳は、心を抱き締めて
壬はため息をついた。

ルークとレナも嬉しそうにし
ジークとクリアナもホッとしていた。

一彦は、ブスっとしていたが
マリアナから、頬にキスをされて
機嫌が少し治った。

大翔は、遥を下に下ろして
心のそばにいき
心を抱き締めて
「······あぁ······心だ·····。」
と、しばらく抱き締めた。

それから
「遥のこと、母のこと
本当にありがとう。

心、心から愛しているんだ。
ずっと俺のそばにいて、
笑っていて欲しい。」
と、言うから
「········本当·····に·····
もう、いなくならない?」

「ああ、ずっと、一緒にいたい。」
と、言ってくれるから
「どうぞ、遥と私を幸せにして下さい。」
と、言った。
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