あと一欠片のピース








「あれっ」



清々しいほどに空が青の朝。


いつも通りに学校に登校したわたしは下駄箱を開けて目のまん丸にした。



だってそこには、真っ白の封筒があったから。




「パズルさんの正体はもう発覚したんだけどなぁ」




なんだろ、わざわざこんなことして。


蒼馬くんったらおしゃれさんだなぁ。


もう随分と慣れた手つきで封筒を開ける。


だけど、そこには見慣れたパズルはなく、





『放課後、屋上で待っています』





1番上にある文字の羅列を見て、しまったと思った。


隣の男子の靴箱に入れるはずだった手紙だったのかな、間違えた手紙だったのかな。



いけない、勝手に読んだしまった。


ごめんなさい、と罪悪感に苛まれていると、1番下に控えめに書かれた4文字を見つけた。




『好きです』





その字に見覚えがあることに気がついた。


ちくしょう、はめられた。


きっと手紙の差出人はどこかでわたしを見ている。


わたしがこの手紙を手にする前から、わたしが来ることを窺っていて、どこかでわたしの反応を見ているに違いない。


そして、それがわたしにはバレていないと思っているんだ。





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