あと一欠片のピース




「でもなんで付き合う、じゃなくて友達以上恋人未満?」


「あ、それはうちが言ったの」


「茜が?」


「うん」



なんで? と首を傾げれば、茜がううう、と唸った。


なんだなんだ。


意を決したように赤い顔で茜が声を出す。




「わ、笑うなよ今宵!」


「笑わないよ!」


「んとね、…完全にうちのことだけに好きになってからじゃなきゃ、彼女になってやんないってうちが言ったから」


「……」




な、な、なんだその素敵な展開は!


なんだこのもぞもぞする胸きゅんは!!





「おーい、今宵?」


「うっわもうなんなの、茜ちゃん可愛すぎだから!」


「はぁっ!? ちょっとやめてそういうのまじむり!」


「いやまじで可愛すぎでしょ。茜ちゃん乙女すぎるでしょ、大好きだわ」




茜の可愛さを茜本人に熱く語るわたし。


そんなわたしとは反対に、熱っぽくて可愛らしい状態だった茜が謎に急に冷めた。




「え、今宵ばかなの? 何言ってんの。」


「えっ、そんな冷たい目で見ないでよ」


「うるせえ。幸せボケしやがって」



悪態を吐く茜ちゃん。


そんな茜が可愛くて仕方ないのか、千がさりげなーく口元を緩ませているのをチラ見。


やばいなこの2人。最高に可愛いな。



< 137 / 152 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop