あと一欠片のピース
「でもなんで付き合う、じゃなくて友達以上恋人未満?」
「あ、それはうちが言ったの」
「茜が?」
「うん」
なんで? と首を傾げれば、茜がううう、と唸った。
なんだなんだ。
意を決したように赤い顔で茜が声を出す。
「わ、笑うなよ今宵!」
「笑わないよ!」
「んとね、…完全にうちのことだけに好きになってからじゃなきゃ、彼女になってやんないってうちが言ったから」
「……」
な、な、なんだその素敵な展開は!
なんだこのもぞもぞする胸きゅんは!!
「おーい、今宵?」
「うっわもうなんなの、茜ちゃん可愛すぎだから!」
「はぁっ!? ちょっとやめてそういうのまじむり!」
「いやまじで可愛すぎでしょ。茜ちゃん乙女すぎるでしょ、大好きだわ」
茜の可愛さを茜本人に熱く語るわたし。
そんなわたしとは反対に、熱っぽくて可愛らしい状態だった茜が謎に急に冷めた。
「え、今宵ばかなの? 何言ってんの。」
「えっ、そんな冷たい目で見ないでよ」
「うるせえ。幸せボケしやがって」
悪態を吐く茜ちゃん。
そんな茜が可愛くて仕方ないのか、千がさりげなーく口元を緩ませているのをチラ見。
やばいなこの2人。最高に可愛いな。