あと一欠片のピース
まあね、そりゃ確かに書いてあったけども。
なんかさ、ほら、1日置いておけば間違えたって気がついて引き取りにくるかもしれないじゃない?
自分なに言ってるのかよくわかんないけど。
とにかく、わたし宛じゃない可能性は完全なるゼロではないわけよ。
と思うのだが、茜はどうやら納得できないらしい。
「もしアレが今宵宛だったとしたら今宵の手にちゃんと渡ったかパズルさんは確認するんじゃないの?」
「パズルさん?」
「そんで確認したら今宵に受け取ってもらえてないわかるじゃん。そしたらパズルさんは辛い思いするよ。絶対辛いよ」
「でもアレは嫌がらせかもしれないでしょ。男からなのか女からなのかもわかんないし。なんか怖いし」
「でもでも、もしこれからもパズルが届いたとしてそれが今宵に何か伝えたい言葉とかだとしたら?」
「もううるさいな。そんなのなんてないって。どんな特殊な方法だよ。明日またあったらそれはそれで対処するってことでいーじゃん」
「……お前くそ性悪だな」
「何とでも言え」
立ち上がり、ぐんっ、とブランコをこぐ。
わたしを見上げる茜は、顔をしかめている。
それは多分、太陽がまぶしいからではない。