あと一欠片のピース






「え、嘘じゃん」


「なにが嘘じゃん?」


「……」



フリーズするわたしの目線を追って、茜がわたしの下駄箱を覗く。



「わーお、熱心ですねぇ」


「何が、熱心ですねぇ、だ」


「だって熱心じゃん。2日続けてなんて」



靴箱には、白い封筒が2つ。


1つは昨日わたしが置いていったもの。


もう1つは、初めましてのもの。



確かに熱心ですねぇ、と言いたくなるのもわかる。


茜がぼそりと「あ、やべえ」と呟いた。



「何がやばいの?」


「これが恋の部類だったら熱烈すぎて万々歳だけど、もしもいじめの予兆とかだったらとか考えちゃったんだけど、それってくそ怖いやつじゃん? やばくね?」



何言ってんだこいつは。


昨日はあんなにも恋愛まがいのことにしようとしたくせに。



「まーあー、うちは宮崎からってのに賭けてるけどね」


「じゃあ茜、宮崎じゃなかったら野口さん寄越しなね」


「えーやだ。うちの大切な英世はあげらんない。 ワンコインでいこうよ」


「しゃーないな、じゃあ500円ね」


「え、なんでよ100円でしょ!」


「500円もワンコインですー」



今日も仲良く軽く喧嘩腰の会話を楽しむわたしたち。



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