あと一欠片のピース




そんなわたしに気がつきもせずに、千がわたしの手を指差した。




「え、てか待って。何それ、おまえ告白されたわけ!?」




手にとっていた白い封筒を見て千が喚く。


まじうるさいんだけど、この人。


もしかしなくても口で出来てるの?


気持ち悪いけど口だけで良くない?


意味がわからないことを1人考えて、チッと舌打ちをするわたし。


そんな不機嫌極みないわたしからなぜか肯定ととったのか、信じられないとでも言いたげに千が目を見開いた。




「……世の中、物好きもいるもんだな」


「いくら王子でも失礼だな、殴るぞ」


「うっわーこわーい、女子力の無さやばーい」




軽く拳を握るとヘラヘラと笑いながら茜の腕を引っ張って茜を盾にしやがった。




「ちょっとおまえ、まじふざけんな! 離せエセ王子!」


「やだ。茜ちゃん、怖い怖い今宵ババアから守って…?」


「は? 今宵がババアキャラなのは否定しないけど、まじでひっつかないで! 触らないで!」




ドタバタと茜と千の戦いが始まる。


同い年のくせにわたしのことをババアと言いやがった2人には後でお仕置きである。


あーあ、こんな風にしてるから付き合ってるって噂が立つんだよ。


馬鹿だなぁ、2人とも。


2人とも恋人が欲しいくせに何故か作らない。


どうやら2人とも好きな人がいるらしく、その人以外とは考えられないのだとか。


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