あと一欠片のピース
普通にわけわかんないし。
「藤野今宵に用があって来た」
「……意味わかんねー」
ふわり、窓から侵入して来た風が宮崎のサラサラの髪を揺らした。
それがあまりに綺麗でなんだかムカついて、ぼそり呟く言葉が綺麗じゃなくなる。
普通にも何も、全然わけわかんないし。
なんだこいつ。
一度しか話したことないくせに、しかもあんなくだらない話しかしてないのに、わたしに何の用があるっていうんだ。
あれか、昨日くれたカイロ返せってか。
あれの見返りを出せってのか。
「何の用?」
そう問えば、ゆっくりと宮崎が口を開く。
「あんたさ、千のことどう思ってんの」
「はぁ?」
何だこいつ、本当に何だこいつ。
なんでいきなり千の話になった。
しかもみんないる教室で普通にそんなこと言い出すとか、何なんだ。
「千と幼なじみなんだろ」
「そうだけど、それがなに?」
「いつからの付き合い?」
「え、小学校からだけど。ねえ、本当なに?」
「千のことどう思ってんの?」
「なんで…?」
この人は、一体何がしたいの?
どんな答えを求めてるの。