あと一欠片のピース
「あーやだ! 考えるのやめ!」
ぐるぐるしてきた頭に疲れを感じて、頬をパチンっと叩く。
パズルさんなんて、もうどうでもいいや。
こんなことを思うとそれこそあの世に連れていかれそうだけど、だって怖いんだもん。
もういい。
「………寝る」
イチャイチャとお熱いカップル達が5限の本鈴のチャイムを聞いて慌てて屋上を後にする中、わたしは目を片腕で覆ったまま屋上に寝転んでいた。
さわさわ、どこからか木々の揺れる音がする。
校庭で野球でもやっているのか「ナイスピッチング!」と声が聞こえてくる。
いい投手がいるみたい。
遠くから鳥の鳴き声が聞こえる。
太陽からの直射日光が痛い。
お腹に妙な重さを感じて痛い。
「痛い…?」
あれ、なんか次は膝小僧が痛い。
「いたっ、痛い痛い痛いっ」
ガバッと起き上がると、わたしの膝をつねりながら覗き込んできた人のおでことわたしのおでこがぶつかった。
「いっ…たいな、何してんの」
「あんたこそ何してんの」
「は?」
「ん?」
「いや、わたしが聞いてるんだけど」
つねられていた膝小僧を見ると赤くなってて睨みつけたのだが、キョトンとした顔をする宮崎。
この人やっぱりよくわからない。
掴み所がない、ってこのことか。
「上で寝てたらあんたの大声が聞こえたから、降りてきてみた」
「上……ああ、そういうこと」
宮崎の視線を追うと、今にも壊れそうな脆い非常階段を登っていく屋上の2階、みたいなところに行き着いた。
……そんなところ登る奴いたんだ。