あと一欠片のピース
「白い封筒?」
「そう、中身はパズルが1ピースのみ」
ひとしきり話すと宮崎は何かを思い出すようにポツリと呟いた。
「……ああ、あんたのだったんだ」
「へ、今なんて?」
あんたのだったんだ、って。
ちょっと待って、それって…。
宮崎が制服のポケットをガサゴソ探る。
そしてそのポケットから顔を出したのは真っ白の封筒。
「ん」
「えっ、何で持ってんの!」
「んーと、…拾った?」
「は、拾ったぁ?」
頷く宮崎にわたしは目を白黒させた。
拾った、って。
「普通さ、封筒とか拾わなくない?」
「そういうもの?」
「そういうものでしょ」
「へえ」
ねえ、ほんとなんなのコイツ。
馬鹿なの? 常識ないの?
消しゴムとかそんなのだったら拾うと思うけど、封筒は拾わなくない?
拾ったとしても、持っておかないでしょ。
どこか机の上とか、床ではなく目に付きやすいとこに置くとか、そんなものでしょ。
宮崎って、馬鹿なのか。
確かテストは毎度学年上位のはずがおかしいな、天然なのか?
そう思い宮崎を見てみると視線がぶつかった。
そして、彼の手がわたしに向かって白い封筒を向ける。
「はい」
「要らない」
「でもこれあんたのじゃん」
「ねえ、わたしの話聞いてた? それあるとパズルさんの呪いにかかっちゃうんだってば」
「……」