あと一欠片のピース




はまったパズルを見ながら茜が顎に手を添えて呟く。



「ここにはまったということは、〝今宵貴女の〟から2つ空けて〝参ります〟になるね」



頷いたわたしは今日の分の封筒を手にした。



「今日の分はどこにはまるんだろね」


「うちが思うに間のどっちかだと思うなあ」


「なんで?」



茜の言うことが理解できずそう問えば、彼女はにやりとしてやったり顔を決めて人差し指を立てた。



「女の勘!」


「……それ流行ってんの?」


「うちの中でね、超絶流行中!」



ははーん。


さては茜、時代劇だけではなくて昼ドラにもはまってやがるな?



「ドロドロしてるの観て何が面白いんだか」


「すんごい面白いよ。昼ドラって人間のゲスいところが開けっぴろげでさ、もうゲスすぎて笑えちゃうくらい面白いんだよねー」


「へえ、わたしには理解できなーい」


「今宵はガキだから仕方ないよ」


「いやいや、同い年じゃんかよ!」



ペシンと茜の頭を軽く小突くと、あたっと痛くもなさそうな声をあげて頭をさすりだした。


そんなに強くやってませんけど?


被害妄想ですか?



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