あと一欠片のピース
「なーに大の字で寝てんだよ、東海道線!」
「午後もまた光王子になるために太陽の光を吸収してんの。ただいま充電中」
「は、キモ」
「茜ひでぇ」
いや、東海道線……改め海堂千よ。
茜じゃなくてもキモいと言っちゃいたくなるよ。
千は起き上がり、隣をぽんぽんと叩いてわたしたちを近くに座らせた。
「で、今宵はどうしたんだ?」
「え?」
「俺が気づかないと思った? 何かあっただろ。話してみな」
座った途端に突っ込んでくる千。
鋭い。
流石、伊達に長い付き合いではない。
さりげなく茜よりも長い付き合いだからな。
千には隠し事しようとしても、いつもバレちゃうなぁ。
別に隠そうとしたわけではないけれど。
「ねえ、真尋って誰?」
そう問えば、千は目を見開いてわたしを凝視した。
え、何…。
「千?」
「……な、んで、その名前を」
「青木先輩から聞いた」
「嘘、だろ…」
「ほんとだよ。何、どうしたの?」
千の血色のいい顔が青ざめていく。
なんで突然こんな風に?
「千」
「ごめん、ちょっと整理したい」
「あ、うん」