あと一欠片のピース
この世界には知らないことで溢れていて、わたしは馬鹿だから知らないことが多くて、だから『なんで』が尽きないのだ。
それでも、そんな世界の中でわたしはわかっていることがある。
「いつまでもこの世界のどっかの誰かに『なんで』をぶつけてても自分が動かなきゃ何も始まんないよなぁ…」
そう、始まらないのだ。
こんな薄暗い部屋で誰が聞いているわけでもないのに、呟く『なんで』は解決され消化されることはない。
この世界のどこかの誰かに語りかけている気でいたけれど、実際は誰もいないこの家にわたしの呟きが誰にも届かずに消えていくだけ。
……って、なにが世界だ。
わたし、ポエマーにでもなった気でいたわけ?
ちょっと寒いよ、わたし。
…でも、確かにそうなのだ。
自分が動かねば何も、始まらない。
始まらないと、何も進まない。
「とりあえず、朝ごはんにすっか」
よいしょ、と老人でもないくせにそう言ってソファから立ち上がる。
朝ごはんとか言うけれど、12時半に食べるごはんは朝ごはんではないと思う。
でもまあいいんだ、そんなこと。
朝昼ごはん、ってことにしておこう。
キッチンに向かうとタッパーに入ったご飯とインスタントのカレーがあった。