あと一欠片のピース
いいよ、どんなことを言われたってわたしらしくすればそれでいいんだから。
真尋の話について、ちゃんと聞こう。
ちゃんと、教えてもらおう。
屋上までの階段は、なんだか他の階段と比べて随分と暗かった。
そのせいで、少し気分が落ちる。
それでもわたしは階段を上がった。
動かなきゃ、何も始まらないし、進まないから。
屋上の重い扉を開けると案の定、思っていた通りの3人がいた。
フェンスの方を向いていた3人は、扉の開く音でわたしの方を向いた。
「今宵、待ってたよ」
「うん、…お待たせ」
茜がわたしを向かい入れようとわたしに手を差し出した。
わたしはその手を取ることを、躊躇ってしまった。
その躊躇いを茜にどう写ったかを考える余裕はなかった。
「真尋のこと、教えてください」
青木先輩は、小さく口を開けて、思い悩むように閉じた。
それからまた開いて、わたしを見つめた。
それでもわたしを見て辛そうにする彼は、また口を閉じた。
「先輩、まずは俺が話します」
「……ごめん」
「いえ。整理しといてください」
見かねた千が先輩の肩を叩いて助け舟を出した。