あと一欠片のピース
それからと言うもの、わたしは彼への気持ちに鍵をかけて心の奥底にしまいこむことになった。
そうまでして、わたしは真尋と一緒にいたかった。
真尋は渋々受け入れてくれて、今まで通りわたしと一緒にいてくれて、彼とも話をするようになった。
それからはトントン拍子だった。
真尋と彼がいい感じだと校内に噂が出回った。
彼は真尋と同じくキラキラしていて人気者で、誰もが認める人気者の2人は、誰が見てもお似合いだった。
茜と千に何度も何度も心配されたが、それでもわたしは彼への気持ちの蓋を開けることはなかった。
こういう女子特有のゴタゴタはよくあることで、校内でもそのような話はよく耳にしていたから『みんな一緒だ、大丈夫だ』と言い聞かせていた。
それなのに、そうやって頑張ってきたのに、その蓋が思いっきり弾けてしまいそうになる出来事が起こった。
だいぶ長いこと彼と話をしていなかったからか、彼がわたしを屋上に呼び出したのだ。
『今宵、俺のこと嫌いになった?』
いつか自分もここで同じようなことを言ったな、そう思いながらわたしはどう答えようか考えていた。
ここで首を振れば友達でいることさえ叶わないのではないだろうか。
いくらなんでも、それは心がキツイ。
彼との繋がりを消せるほど、わたしは強くない。