Death carried
「こんな危険なウイルスを、一体誰が強奪したってんだ」

「…731を知っているか」

ジェイソンの問いかけに、バニングは答える。

第二次世界大戦期の大日本帝国陸軍に存在した研究機関のひとつに、731部隊というものが存在した。

正式名称は関東軍防疫給水部本部で、731部隊の名は、その秘匿名称(通称号)である満州第七三一部隊の略。

満州に拠点をおいて、防疫給水の名の通り兵士の感染症予防や、その為の衛生的な給水体制の研究を主任務とすると同時に、細菌戦に使用する生物兵器の研究・開発機関でもあった。

その為に人体実験や、生物兵器の実戦的使用を行っていたとされている悪名高き部隊だ。

その忌まわしき名を名乗る正体不明のテロリストが、731。

目撃者によると、ガスマスクを着用したACU姿の兵士であるという。

CIA(アメリカ合衆国中央情報局)は、この731がエボラウイルスを強奪したと見て、バニング達Disposableに、その所在とウイルスの奪還を依頼していた。

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