Death carried
アセラエクスプレスの屋根の上での追跡劇。

余りの速度に、立っている事が出来ない。

屋根の上を這いずりながら、少しずつ後を追う。

「731!逃げられやしない!大人しくウイルスを渡せ!」

バニングが叫ぶ。

「……」

731は逃げるのをやめ、ゆっくりとその場に立った。

近付こうとするバニング達だが。

「止まれ」

ガスマスクの下から、くぐもった男の声が聞こえた。

「俺の着ているACUは防護服の機能も果たすが、お前達はどうかな?」

731はウエストポーチから、アンプルらしきものを取り出す。

「知っていると思うが、エボラウイルスは空気感染する。ここで万が一このアンプルが割れれば、列車の風圧に乗って、ウイルスは何処まで飛散する事か…」

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