Death carried
ニューヨークを出て、100キロほど走っただろうか。

少し休憩としよう。

ジェイソンのBMWは、ドライブインへと入っていく。

車を停め、荷はそのままに店内へ。

「ホットドッグと…コーヒーを。ミルクとガムシロップは抜いてくれ」

ウエイトレスに注文し、ジェイソンはカウンター席に座った。

長時間の運転は、集中力を低下させる。

定期的に休憩をとる事も、いい仕事をする為の鉄則だ。

黒のネクタイを少し緩め、リラックスするジェイソン。

注文が届くまでの間、しばし待っていると。

「…若いの、ここいいか?」

隣の席に、男が腰掛けた。

一体何をやっている人間なのだろう。

デニムのベストを素肌に羽織り、ジーンズ。

覗いて見える肩や胸板には、タトゥーが彫り込まれている。

ギャング?

マフィア?

どう考えても堅気という感じではない。

ジェイソンよりも10歳ほど上だろうか。

体に弛みはなく、筋骨逞しい男だった。

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