Death carried
「どういう事だ?」

訝しげな顔をするバニング。

「何、簡単だ」

ジェイソンはバニングの顔を見た。

「第四次大戦中、激戦区になったイギリス・ロンドンでSAS隊員の死亡原因1位になったのが…目の前にいるストーンコールドって訳さ」

スティーブ・ストーンコールド。

オールバックの黒髪を後ろで括った髭面のこの男は、第四次大戦中、第22SAS連隊B中隊の中隊長を務めた。

ロンドンに侵攻して来る世界統一政府軍に対し、劣勢を強いられたB中隊は最後まで善戦するも、次第に戦局は悪化。

それでも中隊長であるストーンコールドを信頼し、隊員達は戦い抜き、彼の最後の命令…全部隊、残弾を使い切るつもりで徹底抗戦、という指示に躊躇う事なく前に出た。

…彼らが足止めしている間に、敵諸共背後から撃たれるとも知らずに。

ストーンコールドは己の身を守る為、部下を盾にしながら敵部隊を殲滅したのだ。

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